時間: 12時間2分10秒
(手元のGarminでの計測)
追記: 公式には100km、12時間2分0秒、265位。100km男子は申込1,624名、出走1,461名、完走996名(完走率68.2%)。
さて、この後から登りが徐々にきつくなってきます。このレースでは「前を歩いている人との差が縮まらない場合は、歩く」ということに決めていました。というのも、伊豆大島ではすべて走り通したのですが、きつい登りでは歩いている人とほとんど変わらないペースだったりしていました。それよりも、体力を温存したほうが得かなと。
いよいよ噂の馬越峠の始まりです。
ここはブログなどをみると、かなりきついのでほとんどの人が歩いて登るとのこと。確かにきつい・・・。でも、走れないほどじゃないぞ。伊豆大島でもかなりきつくて長い坂を走り続けたのと比べると、それほどでもなさそう。よし、走ってみるか・・・。
と思ったものの、走ろうとすると息苦しい。深呼吸をすると胸が苦しくて咳き込んでしまう感覚。これ、小学生の頃から時々出てくるのですが、原因不明。みんなこういうもんだと思ってずっとほったらかしにしてきました。しかし、こうなると小さな呼吸は問題ないのですが、呼吸を大きくすることができません。仕方が無いので、諦めて早歩きをすることに。
しかし急坂を長い間登っていると、どんどん苦しくなってくる感じ。後ろから歩いてくる人にもどんどん抜かれます。
まだ20km以上残っていますが、このままだと走れない予感。残りをすべて歩いたとしたら制限時間である14時間以内にゴールできるだろうか?どういう計算をしたかは忘れてしまいましたが、何だか間に合いそうも無い気がしてきました。でも、とにかく行けるだけ行ってみようと心に決めて、歩き続けました。
峠の頂上まで到着すると、今度はしばらく急な下りです。下りなら走れるかも、とゆっくり走りだしてみました。一応大丈夫そうですが、呼吸を上げないように注意して、スピードは超控えめ。やはり他のランナーにどんどん抜かれていきます。
しばらく下っていると、少しずつ楽になってきたような気がしました。それが気の持ちようなのか、気圧や気温の変化なのかわかりません。
調子が出てくると、今度はタイムが気になり始めました。もしかすると、12時間切れるかも?ついさっきまで制限時間に間に合わないかも、と苦しんでいたくせに、我ながら信じられない変わりっぷり。とにかくできるだけスピードを上げて見ることにしました。
87km地点のエイドステーションで、食料を補給しながら考えました。残り13km。13kmと言えば、普段の朝ランの距離。通常なら1時間ほどで走っている。ゆっくり目で走っても、1時間10分はかからない。時計を見ると、目標の12時間まであと1時間20分ほど。しかし、ここまで90km弱を走ってきた体で大丈夫か?しかも、確かここから登りが続くんじゃなかったかな?
良くわからんけど、とにかく頑張ってみよう!
ということで、気分を無理やりリフレッシュさせて、いつもの朝ランに向かうような気持ちで出発しました。かなり頑張って走ると、なんとか1kmあたり5:30から5:45くらいのペースで走れているぞ。よし、これなら行けるぞ。と思ったら・・・。登り坂が出現。ペースが6:30から7:00くらいに落ちて行く~。でももしかしたらこの坂の向こうには、下り坂が待っていて再び加速できるかもしれない、などと考えながら、とにかく諦めず、思いっきり頑張りました。
すると、先程馬越峠を越えたあたりで抜かれた人、馬越峠を登っている時に抜かれた人、さらには60km前後の折り返しコースでかなり前を走っていた人、これらの人たちをどんどん抜くことができました。正直、疲れた体でそれほどのスピードは出ていないのですが、この辺りの登りでも多くの人が歩いています。走っている人たちもいますが、かなりゆっくりです。自分は12時間を切るぞ、という目標を強く持って力を振り絞っていることもありますが、図らずも息が苦しくてゆっくり歩いていたお陰でかなり体力が温存されていたようです。2ヶ所あったエイドステーションにも寄らずに、ひたすら走り続けました。
しかし、世の中そんなに甘くはありません。残り2km、1kmと減っていくうちに、どうやらギリギリ12時間に間に合わないということが計算できてきました。それでも最後まで諦めないぞ~と頑張っていたら、なんと目の前で線路の踏切が降りてしまいました。完全にトドメを刺されました。
残念ながら12時間を2分ほど過ぎてしまいましたが、それでもゴールできたのは本当にうれしかったです。(ちなみに踏切に引っかからなくても間に合わなかったことはほぼ間違いなし)
一時は制限時間内にたどり着けないかとも考えましたが、最後は力を出しきってのゴール。忘れられない大会になりそうです。
ゴール後に温かい豚汁をいただきました。
豚汁を飲むときに、やはりまだ胸が苦しいことに気づく。きっと走っているときは気合で抑えていたんでしょうねぇ。豚汁、美味しかったです。最高じゃ!
追記: 公式には100km、12時間2分0秒、265位。100km男子は申込1,624名、出走1,461名、完走996名(完走率68.2%)。
Garminのデータはこちら。
伊豆大島に続いて、2度目の100kmへの挑戦。自分が走りきれる距離だということはわかったものの、やっぱり2,3日前から緊張がかなり高まってきていました。やっぱり100kmというのは半端な距離じゃないなぁ。
前日の夕方に車で出発。ちょっと会場から遠いけど、スパランドホテル内藤で風呂と仮眠をとりました。本当は朝2時くらいまでここでゆっくりする予定でしたが、興奮しているせいか寝られなくなってしまったので会場に移動することに。
会場近くの駐車場にて、車の中で再び寝ることに。しかし、時々寒くて目が覚め、服を着込んでまた寝る、というのを何度か繰り返していました。野辺山は寒いのね。
朝4時前くらいに受付を済ませました。思ったより気温は低くかったので、下はいつものハーフパンツ、上は袖なしの肌着の上に半袖Tシャツ、そして2,3日前に購入したアームウォーマーという格好で走ることに。アームウォーマー、このレースに向けて購入したのですが、安かったけど結構暖かくて良い感じ。個人的にはあまりランナーグッズを買わない方なのですが、長袖にしようか半袖にしようか迷うようなとき、こいつは便利です。レースの終盤でも重宝しました。
スタート時刻の5時が近づくと、市長さんやらの話が始まりました。
前日よりも10度くらい高いということを誰かが話しているのを聞いたような気がしますが、これより10度も低かったら服装も大きく変えなきゃいけなかったでしょうから、そういった意味ではラッキーでした。
伊豆大島よりも10倍くらい参加者が多く、スタートしてからも人の密集度が全然違います。すると・・・。
誰だ、尻出して走っているのは!
しばらくは霧が多くてなかなか景色も見えなかったのですが、徐々に晴れてきました。
う~ん、なかなかいい感じだぞ。先は長いけど、楽しめそうです。
しかし序盤に未舗装路が続くのですが、これがなかなか走りにくい。大きめの砂利道、下りは特に足の踏み場に気をつけないと底が薄い靴にはとんがった石が辛かったです。
ちなみに、このコース、最高地点は1908メートルです。
酸素も薄い?
途中、天然の水飲み場がありました。
「命の水」だそうです。飲んでみたかったのですが実はお腹を壊していたので危険な予感がして手を出せませんでした。
35km地点にちょっと大きめのエイドがありました。
ここではおしるこがでました。お腹も空いてきていたので、しっかりおかわり。おにぎりも美味しかったです。こうやってエイドで休みながらしっかり食べるのは、ウルトラマラソンの楽しみのひとつ。
59km地点ではお蕎麦が出ました。これ、腰があってものすごく美味しかったのですが、たまたまトイレに寄ろうと建物に入って気がついたのですが、なんと
裏で職人さんたちが蕎麦を作っていました。こりゃすごい。
さて、この後から登りが徐々にきつくなってきます。このレースでは「前を歩いている人との差が縮まらない場合は、歩く」ということに決めていました。というのも、伊豆大島ではすべて走り通したのですが、きつい登りでは歩いている人とほとんど変わらないペースだったりしていました。それよりも、体力を温存したほうが得かなと。
いよいよ噂の馬越峠の始まりです。
ここはブログなどをみると、かなりきついのでほとんどの人が歩いて登るとのこと。確かにきつい・・・。でも、走れないほどじゃないぞ。伊豆大島でもかなりきつくて長い坂を走り続けたのと比べると、それほどでもなさそう。よし、走ってみるか・・・。
と思ったものの、走ろうとすると息苦しい。深呼吸をすると胸が苦しくて咳き込んでしまう感覚。これ、小学生の頃から時々出てくるのですが、原因不明。みんなこういうもんだと思ってずっとほったらかしにしてきました。しかし、こうなると小さな呼吸は問題ないのですが、呼吸を大きくすることができません。仕方が無いので、諦めて早歩きをすることに。
しかし急坂を長い間登っていると、どんどん苦しくなってくる感じ。後ろから歩いてくる人にもどんどん抜かれます。
まだ20km以上残っていますが、このままだと走れない予感。残りをすべて歩いたとしたら制限時間である14時間以内にゴールできるだろうか?どういう計算をしたかは忘れてしまいましたが、何だか間に合いそうも無い気がしてきました。でも、とにかく行けるだけ行ってみようと心に決めて、歩き続けました。
峠の頂上まで到着すると、今度はしばらく急な下りです。下りなら走れるかも、とゆっくり走りだしてみました。一応大丈夫そうですが、呼吸を上げないように注意して、スピードは超控えめ。やはり他のランナーにどんどん抜かれていきます。
しばらく下っていると、少しずつ楽になってきたような気がしました。それが気の持ちようなのか、気圧や気温の変化なのかわかりません。
調子が出てくると、今度はタイムが気になり始めました。もしかすると、12時間切れるかも?ついさっきまで制限時間に間に合わないかも、と苦しんでいたくせに、我ながら信じられない変わりっぷり。とにかくできるだけスピードを上げて見ることにしました。
87km地点のエイドステーションで、食料を補給しながら考えました。残り13km。13kmと言えば、普段の朝ランの距離。通常なら1時間ほどで走っている。ゆっくり目で走っても、1時間10分はかからない。時計を見ると、目標の12時間まであと1時間20分ほど。しかし、ここまで90km弱を走ってきた体で大丈夫か?しかも、確かここから登りが続くんじゃなかったかな?
良くわからんけど、とにかく頑張ってみよう!
ということで、気分を無理やりリフレッシュさせて、いつもの朝ランに向かうような気持ちで出発しました。かなり頑張って走ると、なんとか1kmあたり5:30から5:45くらいのペースで走れているぞ。よし、これなら行けるぞ。と思ったら・・・。登り坂が出現。ペースが6:30から7:00くらいに落ちて行く~。でももしかしたらこの坂の向こうには、下り坂が待っていて再び加速できるかもしれない、などと考えながら、とにかく諦めず、思いっきり頑張りました。
すると、先程馬越峠を越えたあたりで抜かれた人、馬越峠を登っている時に抜かれた人、さらには60km前後の折り返しコースでかなり前を走っていた人、これらの人たちをどんどん抜くことができました。正直、疲れた体でそれほどのスピードは出ていないのですが、この辺りの登りでも多くの人が歩いています。走っている人たちもいますが、かなりゆっくりです。自分は12時間を切るぞ、という目標を強く持って力を振り絞っていることもありますが、図らずも息が苦しくてゆっくり歩いていたお陰でかなり体力が温存されていたようです。2ヶ所あったエイドステーションにも寄らずに、ひたすら走り続けました。
しかし、世の中そんなに甘くはありません。残り2km、1kmと減っていくうちに、どうやらギリギリ12時間に間に合わないということが計算できてきました。それでも最後まで諦めないぞ~と頑張っていたら、なんと目の前で線路の踏切が降りてしまいました。完全にトドメを刺されました。
残念ながら12時間を2分ほど過ぎてしまいましたが、それでもゴールできたのは本当にうれしかったです。(ちなみに踏切に引っかからなくても間に合わなかったことはほぼ間違いなし)
一時は制限時間内にたどり着けないかとも考えましたが、最後は力を出しきってのゴール。忘れられない大会になりそうです。
ゴール後に温かい豚汁をいただきました。
豚汁を飲むときに、やはりまだ胸が苦しいことに気づく。きっと走っているときは気合で抑えていたんでしょうねぇ。豚汁、美味しかったです。最高じゃ!