2012年3月26日月曜日

第8回伊豆大島ウルトラランニング100km

距離: 101.2km
時間: 11時間37分31秒
(手元のGarminでの測定。ゴール後しばらく時計止めるの忘れてた。公式には100km、11時間37分5秒)

第8回伊豆大島ウルトラランニング100km at EveryTrail


Garminでは若干距離が多めに出ているけど、1%の誤差だから、十分正確といえるでしょう。

長い間楽しみにしていた初の100kmへの挑戦。無事に完走という目標を達成出来ました。


しっかりと準備を進めてきたつもりですが、そもそも「100km走るための準備」とは何なのか?何をすれば100kmを走りきれるようになるのか?さっぱりわかりません。スタートの直前まで不安でいっぱいでしたが、スタートしてしまえばひたすら走るだけ。1kmずつの積み重ね、1mずつの積み重ね、1歩ずつの積み重ねが100kmという距離になりました。ゴールと共に何とも言えない感動が沸き上がって来ました。

ちなみに今回のレースでは渡嘉敷さん作のAndroidアプリVoice Recorderというアプリを使い、走りながら思ったことを録音していました。それを聞きながら、記録として書き起こしてみます。

さて、レース前日に竹芝から伊豆大島行きの高速船に乗りました。


基本的に酔いやすいので船は苦手なのですが、こいつ、揺れません。気がつくと70kmものスピードが出ていたのですが、そんなに速く進んでいたなんて全く感じさせません。詳細はこちらをどうぞ。

大島の役場で受付を済ませ、開会式に参加。コースはかなり厳しいとの説明を受ける。そんな脅しにはのらないぞと、自分に言い聞かせる。

その後、島の小中高生による御神火(ごじんか)太鼓の演奏が始まりました。


ものすごいド迫力。お腹の底まで音が響いてきます。しかも、動きがかっこいい。すっかり見入ってしまいました。

夕食はスーパーで買ったパンで軽めに済ませ、早々と布団に入りました。

レース当日は2時50分に起床。昨晩は興奮してなかなか寝付けませんでしたが、寝起きはすっきり。3時半にホテルの食堂で食事開始。


バイキング形式だったので、実際にはこれよりもはるかに多く食っています。何と言っても距離は長いのでしっかりと食っておかないと。

ホテルからスタートの小学校までは歩いて5分ほど。夜中まで降っていた大雨は幸いほとんどやんでいました。雨が降っているのと降っていないのとでは、準備が全然違います。やんでくれて助かりました。

レースの服装は、帽子、手袋、長袖シャツとその上に半袖シャツ、ハーフパンツ、薄手の5本指ソックス。持ち物はいつものウエストポーチに300mlペットボトル、小銭入れ、ティッシュ、バンドエイド、ブドウ糖(塊を砕いたようなやつ)、テーピング、爪切り(マメができた時に潰そうと思って)を突っ込んであります。普段は食べ物も持って走ることが多いですが、エイドステーションがしっかりとしているので、今回は不要と判断しました。

さらに、雨が降っていた場合に備えて70リットルのゴミ袋に首と腕を通す穴を開けたのを準備しておいたのですが、万が一雨が降り始めた場合に備えて、一応小さくたたんで持っていくことにしました。

スタート15分前になっても、ほとんどの選手が体育館の中でのんびりしています。緊張感無いなぁ。スタート12分くらい前になって、ようやくポツポツとスタート地点の校庭に移動する人が出てきました。


まだ暗いし、寒いからこんなもんなのでしょうか。そもそもタイムを競っている人が少ないからでしょうかね。

いよいよスタート!

[0km - 10km]
長丁場なのでゆっくりとしたペースで走り始めます。どのくらいのペースが適当なのかよくわかりませんが、とりあえず5:30/kmから6:00/kmくらいを意識してみました。

4.7km地点に最初のエイドステーションがありましたが、まだ元気なので通過。

その後、暖かくなってきたので手袋をウエストポーチにしまう。長袖なのでちょっと暑いくらいです。

海が見えた直後、8.6km地点に次のエイドがあります。


これがだいたい標準メニューなのかな。あとは場所によって特別メニューが出てきたりします。ここではスポーツドリンクを1杯いただきました。




海沿いの道、とてもきれいです。火山の島であることも感じられます。それにしても、風が強いです。走りにくい。

[10km - 20km]
13.2km地点のエイドでは、クリームパン1個と甘夏みかんを1切れ。うまいっす。少し内陸に入った場所では風もおさまり、走りやすいです。

16.7km地点のエイドでは、スポーツドリンクと水を1杯ずついただきました。それほど汗はかきませんが、水分を意識して補給しておかないと。

[20km - 30km]
20km地点まで、ほぼ2時間。まずまずのペースかな。ちょっとお尻に重たさが出てきたけどまだまだ大丈夫。

22.5km地点のエイドでは、チョコパン1個、甘夏みかん1切れ、スポーツドリンクを1杯。さっきはクリームパンでしたが、今度はチョコパンが出ていました。これ、ヤマザキの薄皮シリーズですね。

25km通過時もまだまだ余裕。あとたったの75km!

25.5km地点のエイドではバナナ半分、スポーツドリンク1杯。その後トイレ休憩。ついでにストレッチも。重くなってきたお尻を伸ばしてみる。

そろそろ何だかエネルギーが切れてきた感じがしてきました。ブドウ糖の塊をいくつか口に突っ込む。腹減ったよう、と思っていたら・・・。

28.3km地点のエイドはなんとコロッケとメンチカツが並んでいます。



まずはコロッケを。お~、温かい。しかもサクサク。続いてメンチカツを。あれ?食べてみたらまたコロッケだった。仕方が無いので2個目のコロッケを食べ終えたあとに今度こそのメンチカツを。あぁ、ジューシーでこれまたうまい。ということでもうひとつメンチカツ。さらに稲荷ずし1個、かんぴょう巻き2個。ここは最高のエイドだ。さらにミルクティーとスポーツドリンクを1杯ずついただく。見晴らしもいいので、ついでに写真も。


しっかり食って(食い過ぎ?)休憩もできたので、体はすっかり復活。自然に少しだけペースも上がってきた(気がする)。頑張るぞぉ。

[30km - 40km]
32.1km地点のエイドではスポーツドリンク1杯。さっき沢山食べたので、飲み物だけね。

この先、長い登りが続きます。走れるから走ってしまっているけど、本当にこれが得策なのか?歩いてエネルギーを抑えたほうがいいのか?よくわからないけどそのまま走り続ける。喉が渇いたので、ウエストポーチからペットボトルを取り出して水分補給。登りはしんどいっす。

35.7km地点のエイドでは、バナナを2分の1切れいただく。

38.8km地点のエイドでは、おにぎり2個とスポーツドリンク1杯。またお腹が空いてきていたので、本当においしかった。ここで軽いストレッチもやっておきました。

[40km - 50km]
43.0km地点のエイドでは、紅茶ケーキを3切れ、スポーツドリンク1杯。なんと、普段自分から好んで食べることのない梅干しまでいただきました。塩分補給が必要だからね。ついでにトイレ休憩。ここまで急な下りだったんだけど、ここからは7~8km登りが続くそうな。フンガー。


47.4km地点のエイドでは、クリームパン半分、梅干し1個。甘夏みかん3切れ、スポーツドリンク1杯。まだまだ登りますが、ちゃんと補給しているので、まだまだ元気です。ここで、大阪からきているおばちゃんに遭遇。エイドの人曰く、このおばちゃん、女子で2位だそうです。1位は大島在住の名物女性ランナーの方で、おそらくかなり先。

三原山の山頂口に近づくに連れて、どんどん寒くなって来ました。しかも風がものすごく強い。ここで、雨具として準備したゴミ袋を持ってきていたことを思い出しました。手袋とゴミ袋を装着して寒さをしのぎます。でも風が強いのでゴミ袋だとかなり風を受けてしまいます。これはこれで辛い・・・。

しばらく走っていると、さっきエイドを先に出たおばちゃんに追いつく。軽くお話をして追い越しました。確かにこのおばちゃん速いけど、登りはぼくの方が速いらしい。すると突然強風が吹いてきて、帽子を後方に飛ばされてしまいました。取りに戻ると、せっかく抜かしたおばちゃんがまた先に行ってしまいました。あれま。しかしやはり登りはぼくの方が速い。再び追い越しました。

すると後ろから、「あれ、富士山ですよねぇ」とおばちゃんが声をかけてきました。見ると、遠くに富士山の頭が見えます!


しかも、振り返ると三原山の火口がこれまたきれい。すっかり写真に夢中になっていると、おばちゃんはすでに先の方に。このあたりで登りの勾配が緩くなったのですが、こうなるとおばちゃんの方がかなり速いようで、差はどんどん開いていきました。このおばちゃんを見たのは、ゴールするまで、ここが最後でした。ちなみにこのおばちゃん、女子の優勝でした。

[50km - 60km]
51.4km地点のエイドでは、甘夏みかん1切れ、スポーツドリンク1杯、それに明日葉そばを2杯いただきました。このおそば、最高にうまい!

ここからは約7kmの急な下り。下りは下りで結構足に厳しいです。ガンガン飛ばしたいところですが、50km以上走ってきた足ではスピードを出すことができません。

下っていると、風もおさまり、徐々に気温も上がってきます。ここでゴミ袋と手袋を脱ぎます。ゴミ袋、役に立ったなぁ。

58km地点は、スタート地点である小学校です。58kmレースの参加者はここで終了ですが、100km参加者はここからさらに42km走って、またここに戻ってくるのです。

ここには手荷物を預けてあるので着替えをすることもできます。長袖シャツを脱いで半袖だけにしようかと迷いましたが、夕方寒くなると困るのでそのまま何も着替えないことに。ゴミ袋はここで捨てました。

とりあえずトイレで顔と手を洗ってすっきり。甘夏みかん2切れとスポーツドリンク1杯いただきました。リフレッシュして再スタートだ!

[60km - 70km]
さすがに疲れが出てきました。気温も上がってきたので、手持ちのペットボトルから水を補給。ついでにブトウ糖の塊も3切れほど口に突っ込んで起きました。

62.2km地点のエイドでは、甘夏みかんを2切れ、ミルクティーを2杯。それに自分のペットボトルを飲み干して、エイドにあった水でペットボトルを満タンにしていきました。

64.9km地点のエイドでは、梅干し1個とバナナ半分、カルピス2杯。甘いモノが欲しくなってきている感じです。ちょっとエネルギー不足かも?

すでに足はかなり辛くなってきています。ほとんどスピードが出ません。

69.4km地点のエイドでは、スポーツドリンク1杯、さらにここにはつみれのお粥が出ました。あぁ、おいしい。おかわりをしようかとも思いましたが、なぜかお腹が重たい感じがしたのでやめておきました。

[70km - 80km]
この辺りはずっと登り・・・。きつい・・・。あと10kmランをたったの3本分の距離。しかし、きついぞぉ。

75km付近では、前には進んでいるものの、足は全く言うことを聞かない。立て続けに3人に抜かれました。

75.5km地点のエイドでは、おにぎりを2個いただく。もう足はヘニョヘニョ。惰性で走り切るぞ。

78.6km地点のエイドでは、アップルパン1個、ミルクティー2杯、スポーツドリンク1杯。ようやく登りが終わり楽になった。それにしてもひどい坂だった。

[80km - 90km]
80kmを通過した所で、自分のタイムを確認してみました。余りはっきりと計算はできないのですが、頑張れば12時間を切れそうな気がしてきました。この大会の目標はあくまでも完走することだったのですが、ここで急遽目標を変更。12時間を切ること。絶対に完走はできるぞ。

目標を再設定したこと、そして下り坂になったこともあり、ヘニョヘニョだった足が再び動き出しました。82.1km地点のエイドには立ち寄らずに通過。するとそのすぐ先で、途中まで女子の1位だったはずの大島の名物女性ランナーに追いつきました。この勢いで、頑張るぞ。

85km地点くらいで、私設エイド(大会ではなく、地元の人が出しているエイド)がありました。ここも通過しようかと思いましたが、せっかくなのでスポーツドリンク1杯いただきました。

私設エイドで補給したので、86.0km地点のエイドは通過。通過してから思い出したのですが、ここは1周目でコロッケやメンチカツがあったところ。あぁ、あのおいしいコロッケとメンチカツ、食べ逃してしまった。しかし、目標は12時間を切ること。のんびり食べている場合では無いのです。

あとは手持ちの水だけで済ませようと思ったけど、88.8km地点のエイドでバナナ半分と午後の紅茶2杯をいただきました。普段であれば20km程度のランには手ぶらで出かけるのですが、さすがに補給しながらじゃないともちませんね。

[90km - 100km]
80km地点で復活したつもりだったのに、まだまだ登りが多く、再びペースダウン。きつい。それでもちゃんと走り続ければ12時間を切れそうだぞ。ひたすら前に進みます。

91.8km地点のエイドはそのまま通過。少しでも時間を縮めたい・・・。

95km付近、再び長い登りが・・・。なんでここまで来て、まだこんな登りが出てくるんじゃい。負けてたまるかぁ!

97km地点。あと残り3km。もう足が棒。かろうじて惰性で前に進んでいる感じです。

97.6km地点のエイド。もうエイドは無いと思っていたのに、ありがたい。スポーツドリンク1杯いただきました。

98km地点。あと2kmであのメダルがもらえる!何が何でも走り続けてやる~。

99km地点。あと少し、そして12時間を切れることは確実。どこからか全くわからないけど、再び力が湧いてくる。

あと300m。ここからゴールの小学校までは最後の登り。なぜか足が動く。スピードが出る。

小学校の入口では、役員の方たちやすでにゴールした選手たちが声をかけてくれる。自分の顔が思いっきり緩んでいるのがわかる。最後は「ヨッシャー」と叫びながらのゴール。うぉ~、ひたすらに嬉しいぞ~。



終わりました。いくら走るのが好きとは言え、さすがに100kmは長かったです。でも、走っている最中に、「やめたい」と思ったことは一度もありませんでした。この達成感、最高ですね。


おまけ:
今回のレースで履いたのはMerrellのBare Accessという靴です(足幅が広いので、靴紐は長めのものに替えてあります)。


足の指回りの部分が比較的広く作られているので、幅広のぼくの足でも大丈夫。この靴のおかげか、今回の走りでは、マメができたり、爪を痛めたりすることはありませんでした。かなり気に入っている靴なのですが、一緒に100km走ると、さらに愛着が湧いてきました。


おまけ2:
レース翌日、帰りの船は14:30出航だったので、原チャリを借りて三原山噴火口を見学に行きました。 噴火口まで往復90分くらいのハイキングコースがあるのですが、大きな噴火口が間近で見られるのはすごい!迫力ありました。


写真じゃわかりにくいですね。

2 件のコメント:

鈴鹿の馬吉 さんのコメント...

お疲れ様でした。
鈴鹿の馬吉と申します。お互いに健闘を讃えあいましょう。
私も2度目の100ウルトラ挑戦でした
(初は昨年6月隠岐の島を14:08で完走)
今回も100k1周目だけがかなりきついとの思い込みで頑張りましたが、2周目の中間の登りのきつい事きつい事でも私も辞めようとは思いませんでした。
(かぶった帽子のツバに子供と嫁の声援を書き込んでもらっていたので…それを後押しに)
完走タイムは1時間以上の更新12:45分で超出来過ぎのゴール。
最後の小学校前の”試練の坂”にてダッシュ2人抜きました。(この力が次の大会につながる…)との思いで。
一瞬ふっとこみ上げるものがありました。
完走出来たこと、大会運営の皆様、エイド、沿道の大声援全てに大・大感謝です。

toh さんのコメント...

気づくのがすっかり遅れてしまいましたが、コメント、どうもありがとうございます。
大会運営やエイドの方々には本当にお世話になりました。自分の力だけでは、とても100kmも走れそうにありませんからね。
また、沿道の大声援、本当にありがたいです。島全体で応援してくださっているのが伝わってきました。とても気持ちが良かったです。
来年も走りますよ!